コンドームを付ければ100%安全?結局どうやったら性病を防げるの?

監修:医師 高山貴行

内科。東京都立墨東病院や東京医科歯科大学医学部附属病院を経て、2021年より羽田空港検査クリニックの主任医師として、空港内の検疫業務を始め、渡航医療、感染症対策等に携わる。


コンドームをつければ性病は全て防げるのか

「性病って色々あるけどよく分からないし、とりあえずコンドームを付けとけばかかる心配は無いのかな?」このように考えている方は意外と多いのではないでしょうか。夜遊びをしていて、初めて会った人とセックスをしてしまった。相手が性病を持っていたかはわからないが、コンドームをしていたため性病のリスクはないだろう。そう考えて、パートナーに相談せず、性病検査もしない。

これは実は非常に危険な考え方なのです。なぜなら、コンドームをつけているだけでは全ての性病を防ぐことはできないからです。

性病の菌やウイルスの感染場所と感染方法

そもそも、性病の菌やウイルスが感染する場所は、性器、泌尿器、肛門、口やのどなど様々です。挿入時にコンドームを適切に装着していれば、性器や泌尿器、肛門からの感染を防ぐことはできますが、口での性交時には一般的に装着していないケースも多く、その場合は感染を防ぐことはできません。また、コンドームの裏表を間違え、一度性器に触れたものを再度装着しなおしたり、適切に使用できていない場合も多いです。

このようなケースではコンドーム装着による性病の予防は効力が弱いかもしれません。新品を取り出して装着し直しましょう。


口やのどから感染する性病には何があるか

口やのどから感染する性病にはどのようなものがあるのでしょうか。

代表的なものとして、淋病・クラミジア・単純ヘルペス感染・梅毒・HIV(エイズ)が挙げられます。この名前を見てギョッとされた方も多いのではないでしょうか。

HIVや梅毒も口やのどから感染してしまうのです。HIVや梅毒は粘膜接触、血液・体液への接触で感染の可能性が生じるので、口に傷がある場合などにはさらにリスクが高まります。


性病を完全に予防するにはどうしたら良いのか

コンドームを装着するだけでは全ての粘膜接触を回避することができず、完全に性病を予防するには不十分だということが分かったかと思います。それでは、可能な限りリスクを下げ、安心して楽しく性生活を送るにはどこに気をつければいいのでしょうか。

一番の予防は、素性がわからない人との性行為はしないことです。また、いつも同じパートナーだとしても、それ以前のパートナーから既に感染していて無症状のケースもあるので、定期的に性病検査を行うことが大切です。昨今、性病検査は病院に行かなくとも郵送で検査から治療まで安価に受けることができるようになってきました。この機会に性病検査の定期検査を検討してもいいかもしれません。