性感染症の検査結果は、いつわかる?
性病検査の方法比較!

監修:医師 高山貴行

内科。東京都立墨東病院や東京医科歯科大学医学部附属病院を経て、2021年より羽田空港検査クリニックの主任医師として、空港内の検疫業務を始め、渡航医療、感染症対策等に携わる。


検査結果は いつ分かるの?

性感染症のリスク

性感染症というと、なにやら特殊で遠い世界の出来事のように感じられるかもしれません。

しかし、不特定多数のパートナーとの性行為をしたり、予防措置を怠ることにより、容易に性感染症に感染してしまう可能性があります。

また、感染したとしても、初期症状が出ないか軽度なことが多いため、自身で感染の有無に気が付かない場合が多いです。

一方で、性病に感染していることが早期に発見できれば治療が容易となり、合併症のリスクも低減します。

また、他者への感染リスクを最小限に抑えることが可能です。

早期発見と治療のためにも、検査を行うことが非常に重要なのです。

とはいえ、検査というとなんだか敷居が高い上に、面倒で時間がかかりそうなイメージはありませんか?

この記事では結果が出るまでの時間に焦点を当て、性病検査を受ける方法について比較しながらご紹介します。

1. 2つの検査方法について

性病検査を受けるには、大きく分けて「病院・クリニックでの検査」と「郵送検査」の2種類の方法があります。

まずはそれぞれの特徴と、メリット・デメリットについて見ていきましょう。

<病院・クリニックでの検査>

病院やクリニックでは、専門家のカウンセリングを受けながら、正確な検査を受けることができます。

問診の中で、自身の症状や不安について話をすることで、受けるべき検査の種類や、気をつけるべきことについて指導してもらうことができます。

また、性病の症状が出ている場合、検査の受診が保険適用となる可能性があります

その場合、保険証を持って病院へ行くことで検査費用を比較的安価に抑えることができます。

しかし、専門家相手だとしても、自身の性的な生活に関わる話をしたくないという方もいらっしゃるかもしれません。

そういった方からすると、ハードルが高いように感じてしまうことでしょう。

また、なるべく手っ取り早く検査を受けたいという方にとっては、

  • 性病検査を受けられる病院・クリニックを探すこと
  • 予約をして通院すること
  • 問診表を記入して専門家と話をすること

などなど、手間がかかる部分が多いように感じられるかもしれません。

それに、こっそりと検査を受けたい方にとっては、性病検査を受けに病院へ行く姿を見られたり、待合室で他人の目に触れること自体がストレスとなる可能性もあります。

ここで、メリットとデメリットをまとめてみましょう。

病院・クリニックでの検査を選ぶメリット
  • 自身の症状を専門家に診断してもらえる!
  • 検査受診の前に、受けるべき検査項目の相談ができる!
  • 保険適用となる場合、安価に検査を受けられる可能性がある!
病院・クリニックでの検査を選ぶデメリット
  • 検査を受けられる病院・クリニックを探して予約するのが面倒
  • 通院するための時間とお金がかかる
  • 人目に触れたり、性的な話題を問診で話す必要がある
<オンライン郵送検査キットを用いた検査>

「郵送性病検査キット」とは、自宅で性病検査を受けることができるサービスです。

現在では、様々な会社から検査キットが発売されていますが、使い方はおおよそ同じです。

キットを購入すると、検体採取のための道具が自宅に送られてきます。

それを使用して、血液や尿など、検査のために必要な検体を自宅で採取します。

採取した検体を、指定された返送先に送り返すことで、ラボや研究所で検査が実施されます。

そして、検査が終了するとウェブやメールなどを通じて検査結果が通知される…という仕組みです。

検査キットの購入~検査結果を受け取るまでの間に、一切他人と顔を合わせる必要がないため、プライバシーを気にする方からすると、使いやすい方法であるといえるでしょう。

また、なにより購入から検査までの全てが自宅で完結することから、手軽かつ気楽に検査を受けることができるのが強みです。

近くに検査を受けられるクリニックがないという方も、郵送であれば地域を問わず同じサービスを受けることができるため安心です。

さらに、病院での検査と比較してやや安価な価格設定がなされていることが多いです。

ただし、仮に性病の症状が出ていたとしても、オンライン診療等を受けない限りは保険診療はできません。

購入手続きが簡単である一方で、検査前に専門家と話すことができないのはデメリットともいえます。

適切なキットを購入するためには、ある程度自身で症状や不安について学び、選択する必要があります。

検体を採取するのも、自身で行うことになります。郵送検査キットには、誰でも検体採取ができるように分かりやすい説明書が同封されているため、心配する必要はありませんが、中には不安を覚える方もいらっしゃるでしょう。

メールや電話で問い合わせをすることはできますが、病院で直接専門家と話すような手厚いサポートは受けづらいかもしれません。

しかし、キットによっては、陽性だった場合に、医師のオンライン診療を受けることができるなど、便利なサービスも存在しています。

オンライン郵送検査キットについても、改めてメリットとデメリットをまとめてみましょう。

郵送検査を選ぶメリット
  • 自宅で購入から検査まで実施できるため、時間も手間もかからない!
  • 他人と会うことなく検査できるため、プライバシーへの配慮は万全!
  • 比較的安価で購入できる!(ただし、保険適用はできません)
郵送検査を選ぶデメリット
  • 専門家のサポートを受けづらい
  • 購入するキットを自分で選ぶ必要がある
  • 自分で検体を採取する必要がある

ここまで、2種類の性病検査の特徴について比較してみました。

続いて、検査結果が出てくるまでの時間について、それぞれの検査方法を比較してみましょう。

2. 病院・クリニック検査の結果が出るまでの時間

多くの性病検査クリニックでは、来院時に検体を採取することになります。

しかし、その場で検査をするとは限りません。

採取した検体を、外部の検査機関に送付し、結果を待つ形式の場合もあるためです。

この場合、結果がわかるまでには数日から1週間程度かかることが多いです。

クリニックによっては、即日結果を通知するサービスを展開しているところもあります。

やや割高な価格設定も多いですが、病院・クリニックでの検査を希望しており、スピードを求める方は、そういったサービスを選ぶと良いでしょう。

3. 郵送性病検査キットの結果が出るまでの時間

最近の郵送検査キットは、独自のラボを持っている場合が多く、結果が早めに確認できる傾向があります。

通常、検体を送付してラボに到着後24〜72時間以内に結果がわかることが多いです。

※「バレナイ性病検査」では、基本的に検査施設到着後、最短当日に報告しております。

(郵送性病検査キットの種類により、結果通知までの時間は異なります)

しかし、あくまで「検体が到着してから」の時間であり、そこに配送時間は含まれていない点に注意が必要です。

病院・クリニックでの検査受診と異なり、採取した検体を直接ラボや検査センターに配送することから、検体返送さえしてしまえばすぐに結果を受け取ることができるのが強みです。

4. 適切な検査タイミング

性病の不安がある場合、とにかくスピーディに検査を受けて早く不安を無くしたい!と思われることでしょう。

しかし、多くの性病は、感染リスクのあった性行為の直後に検査をしても、正確な結果が得られません。

また、性病によって検出が可能になるまでの期間が異なるため、正しい知識を元に検査タイミングを選ぶ必要があります。

主要な性感染症が、検出可能になる時期の目安については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

5. まとめ

病気の不安を抱えている場合、検査の結果が出るまでの期間に、もどかしい気持ちを覚えるのは自然なことです。

自身に合った方法で検査を受けることで、自身の健康のみならず周囲の人間の健康を守ることもできます。

自身のライフスタイルやニーズに合わせて、最も適切な方法を選ぶことが大切です。

金額、人目に触れる機会の有無、結果通知のスピード…などなど、どういった点を大事にしたいのか考えた上で、自身に合った性病検査を試してみましょう!