そもそもクラミジアとは?
クラミジアとは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌に感染した人との性的接触によって引き起こされる性感染症の一つで、クラミジア感染者の粘膜や体液との接触によって感染します。
クラミジアは、性感染症の原因の半数を占めると言われるほど感染者数の多い病気であり、国内では若年層を中心に感染が広がっています。
どんな症状がでるの?
クラミジアは現在でも感染率が非常に高いとされています。
その理由の一つとして、クラミジアには自覚症状がないか、症状があったとしても軽いものであるため、感染したとしても気づかないことが多く治療されないまま放置されやすいからです。
男性の症状としては、尿道炎、精巣上体炎、前立腺炎と泌尿器系の炎症がおきます。
自覚症状がある場合も多いのですが、病院に行くのを面倒がって放置する方が多いです。
女性の場合は無症状か、軽微な症状しか現れない場合が多いです。
しかし、それはクラミジアが軽微な感染症であるという意味ではありません。
むしろ、症状が軽微だからといって感染を放置してしまうと、不妊症や通常の妊娠ができなくなってしまうリスクが上がる深刻な病気なのです。
そのため、たとえ症状がない、もしくは軽くても注意が必要です。
無症状の場合も多いのですが、症状が出る場合には、帯下(おりもの)増量、不正出血、下腹痛、性交痛などが現れます。
また男女共通のものとして、喉に感染して首のリンパ節の腫れといった症状が出る場合もあります。
そして恐ろしいことに、クラミジアは出産の際に母親から子供へに感染してしまうこともあります。
母子間での感染を垂直感染と呼ぶのですが、出産の際に母体の血液に触れてしまうことで起こる感染経路です。
そうすると、新生児に肺炎や結膜炎といった病気が発症してしまいます。
新生児はまだ体が弱いため、深刻な問題となり得ます。
妊娠中でも抗生物質等の薬による治療は可能ですので、必ず検査、治療を行いましょう。
合併症のリスクに注意
クラミジアは淋病と同時に感染する確率が非常に高いです。
他にも同時に感染する可能性がある性感染症として、トリコモナス症、鼠径リンパ肉芽腫症、HIV感染などが挙げられます。
また、重複感染が起こった場合、症状や治療法に影響を与える可能性もあるので、クラミジア感染を疑った際には、他の性感染症の検査も同時に受けることが推奨されます。
クラミジア、早めに検査を
クラミジアの潜伏期間(感染から症状が現れるまでの期間)は、一般的には1週間から3週間程度とされています。
ただし、感染しても症状が現れない「無症状感染」となっている可能性があるため、この潜伏期間はあくまで目安です。
また、感染経路によっても異なる場合があり、性行為による感染の場合は、短い潜伏期間で症状が現れることがあります。
一方で、垂直感染の場合は、新生児に症状が現れるまでに潜伏期間が長くなることがあります。
感染した可能性がある場合は、早めに医療機関で検査を受けることが重要です。